懺悔

壊れて片耳からしか聴こえなくなってしまったイヤホンで音楽を聴きながらこれを書いている。昔も似たようなことで日記を書いたけど、改めて書く。

小中高といじめられたり人との関係がうまくいかなくていつも何かしら人間関係のトラブルを生じさせてしまうたびに、自分のことが嫌いになったし自分は必要のない人間だと思った。そんな私が逃げ込んだのがインターネットだった。インターネットの中に新しい自分を作りたかった。私がインターネットを始めての1番の過ちは、その中にアイドル=偶像を生み出してしまったことだと思う。私の理想をすべて投影したインターネットの中の〈私〉がアイドルだ。
高1で初めて携帯を持って、私はまずホームページを作った。もちろん学校の友人達に教えるようなサイトではない。完全にインターネットの人間だけが見にくるサイト。(インターネットの人間という言葉の定義はしませんがわかって欲しい。)確か初めて作ったサイトでのHNは本名とは全く関係のない宇野という名前だったと思う。実生活における知り合いがいないその空間は本当に私にとって天国だった。サイトを通じいろんな人間と知り合った。出会った人達はいい本やいい音楽をよく知っていて、彼らからたくさんのものを吸収できた。それにサイトは自己顕示欲や承認欲求を満たすのにも格好の場だった。写りのいい自撮りをあげてそれが承認されると、現実の大嫌いな醜い自分の顔まで承認されたような気分になった。それっぽいような詩も書いた。あなたの書く文章や雰囲気が好きだと言われるのが嬉しかったから。やっと私を認めてくれる人がいる。やっと私の居ていい場所ができた。そう思った。
サイトでは理想の〈私〉を簡単に作り上げることができた。賢い私映画や音楽に詳しい私可愛い私。でも、それらはすべて、すべて虚構だった。私はそれらしきもので周りを固めたけれど、実はがらんどうの空洞で、少し叩けば中が空っぽであることなんてすぐにばれてしまう。でも、私は気づくのが少し遅くて、インターネットの私を愛してしまった。だからその居心地のいい環境を壊されるのが嫌だった。汚いその足で、その手で踏み込んでくる人間が嫌いだった。私からこれまで奪わないで欲しいと思った。でも、インターネットにはインターネットの私まで嫌いにさせるような存在もたくさんいた。多くの人間から価値を見出してもらって羨ましい。どうして私には振り向いてくれないの。可愛い顔が羨ましい。どうして私はこんな醜い顔なの。羨望の対象が〈私〉を嫌いにさせた。羨望が嫌悪に変わるのは簡単だった。こうなったらもう逃げ場なんてなくて、私は大嫌いな自分と常に対峙しなくてはならなくなった。それが本当につらかった。インターネットなんてやるんじゃなかった。結局井の中の蛙だったんだ私は。インターネットの人間なんてコンテンツでしかなくて、興味を持たれて、消費されて、飽きられて。それの繰り返し。やっと気づいた。私はいつかこの偶像崇拝をやめられるかな。ずるずるとこんなところまで来てしまった。私は自分で作り出したアイドルに呪いをかけられてしまったんだ。

私は自分を好きになりたいだけ。