腐っても死体

夏がきたのでわたしはそろそろ死ぬのだと思う。自分の死期をきちんと把握しているひとはなかなかいないと思うけど、ひとの死ぬタイミングというのは生まれたときにだいたい決まっている。生命線なんかは神様からの余命宣告みたいだね、もちろん手相はそのひとの生き方次第で変わると言われているけど。でもそう考えるとなおさら神様にいのちの電池握られてるみたい。
夏に死んだらきっと暑さのせいであっという間に腐る。まあ腐っても死体だけどな。(腐っても鯛をもじってみたけど微妙)
美しく死にたいのなら圧倒的に冬を選ぶべきなのだろうけど、わたしは夏に死にたい。というより、たぶん夏に死ぬ。初夏に生まれたわたしは初夏に死んでいく運命にある。

あのひとの死体は、学校のプールの、塩素の匂いがする。
拭っても拭っても、洗っても洗っても、決して落ちることのない塩素の匂い。

忘れらんねえよ。