アイドルに呪いをかけられた

自分がインターネットを始めてのいちばんの過ちは、そのなかにアイドルを見てしまったことだと思う。アイドル、偶像。私は自分が作り出したアイドルを崇拝している。

私はセルフコンプレックスが激しく自己評価なども不当なほどに低い。自分に対する劣等感と一緒に成長してきた。自分の何もかもが嫌いで好きなところはほとんどない。なりたかった自分像に現実の私が程遠かったから、ネットのなかに理想像を投影してしまった、アイドルを生み出してしまった。こうありたかった、っていうすべてを詰め込んだのがインターネットのなかの私=アイドル。ここでいうアイドルは偶像だって補足を付け加えておく。
昔サイトに自撮りなんかをあげて無理やり自己肯定したり安心感を感じていたのもそれだ。

例えばインターネットのなかのレミっていう存在は現実世界の〈わたし〉とはまったく別の存在、と自分では認識していて、まあ実際そんなのは不可能なんだけど、とにかく新しい自分を作り出したかった。私は自己顕示欲と承認欲求の塊で、それらを解消する場がインターネットでありレミだった。ネット上では完全に偽名を使うって決めてるのもそういう理由です。

私はいつかこの偶像崇拝をやめられるかな。いつかやめなきゃと思いつつ、ずるずるとここまで来てしまった。私がわたしを受け入れられるのはきっとインターネットに縋るのをやめたとき。その日がいつ来るのか、もしかしたら来ないかもしれないけど。

私は自分で作り出したアイドルに呪いをかけられてしまったんだ。いつか私がこのアイドルを殺さないといけない。