何も知りたくなかった

最近、父や母を見るとこの人たちもいずれ死んでしまうのだなという考えがどうしても浮かんできて、涙が込み上げてくることがある。母が自分は棺桶に半分足を突っ込んでいると言って笑うので、冷やかな怒りと悲しみを感じた。もし父が早くに死んだらきっとそれは過労で、もし母が早くに死んだらきっとそれは私たち娘のせいだろうなと思う。母は私たちを産まないほうが幸せだったんじゃないだろうか。もちろんこれは自分に対する言い訳であり自己防衛でもある。
大切な人たちが死ぬのが怖い。死というのは終わりではなく始まりだということを頭では理解しているけど気持ちが追いつかない。わたしが冷たくなった父や母の身体に触れるのはいつかな。